2011年03月20日

自然を前にして

スタッフの安藤です。
今までに経験したことのないような自然の猛威を目の当たりにし、
とまどい、畏れ、悲しみ、不安などさまざまな感情がある中、
やぶさかのスタッフとして少し長くなりますが、この場に思いを伝えたいと思います。

地震と津波により多くの方が家族を失い、家を失っており、
また、原子炉の問題により不安な気持ちを抱え、
電力不足の前で節電の必要性が訴えられる中、
私たちは演劇を行う者は公演を行うべきなのか、
さまざまな決断を迫られることになると思います。

そのような中、演劇の世界では雲の上のような方である、
野田秀樹さん、三谷幸喜さんが3月13日のご自身の公演において舞台挨拶を行われています。
ぜひ、リンクを見てください。

野田秀樹さん<野田地図>
http://www.nodamap.com/site/news/206

三谷幸喜さん
http://blog.parco-play.com/

お二方とも公演を実施するという選択をとられました。
それは、演劇が魂の健全性において必要なものだからなのではないでしょうか。

演劇は古くはギリシアで病気の治療のにも使われていたという説があります。
治療のため、屋外の劇場で3日間にわたり演劇が上演されたのです。
最初は悲劇が演じられ、最後に喜劇が演じられました。
その中で観客は涙を流し、笑うことで病気が治療されるとされたのです。

また、有名なダンテの「神曲」の原題は「La Divina Commedia」(神聖喜劇)です。
いろいろと解釈はあると思いますが、今は詩として残されているこの作品は
当時はきっと役者が演じ、観客が泣き、笑ったのではないでしょうか。

私たち劇団やぶさかも横浜の片隅で観た方が泣き、笑うことができる
作品を送り届けられればと活動してきました。
今もその気持ちは変わりません。
8月の公演に際してはさまざまな制約がついてくると思います。
でも、その中で皆で最善を尽くして作品を作り上げていきたいと思っています。
どうぞ、楽しみに待っていてください。

演劇は日常生活から非日常的な空間へと誘うものです。
ですので、この混乱の中で落ち着いて情報を見極め、
ポジティブな気持ちを持ち続け、
目の前にあることをコツコツと行い、日常生活を営んでください。
そして、ぜひ、演劇の世界に非日常を求めにいらしてくださればと思います。

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Posted by 劇団やぶさか at 23:28│Comments(0)12thSTAGE「七つの海」
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